結局、どんな分野でも大事なことって”本質”なんだよな〜。
『30日で人生がうまくいきだす脳の習慣』は、こんなことを思い出させてくれる1冊でした。
本書では、ウェルビーイング(幸福)な日々を実現するために役立つ「脳磨き」についてわかりやすく解説されています。
この記事では、そんな『30日で人生がうまくいきだす脳の習慣』からの学び・感想をまとめました。
脳磨きの習慣が身につくと、生活しているだけで脳のスペックが上がる。これって最高にタイパが良いですよね。
効率よく脳を鍛えて、QOLを上げたい方はチェックしてみる価値アリです。
『30日で人生がうまくいきだす脳の習慣』ってどんな本?
本書は、25年以上にわたってアメリカを中心とする世界最先端の医学脳科学研究所に従事している脳科学者・医学博士の岩崎一郎氏によって書かれた1冊。
「歯磨き」をするような感覚で「脳磨き」をして、QOLを爆上げするコツがまとめられています。
「脳磨き」と言われてもピンとこないかもですけど、その方法は誰でもできる簡単なことがほとんど。
メソッドというよりは心の持ちようを説いている感じです。
奇抜なメソッドを求めている方にとっては、「なんだ、当たり前のことばっかり言っておもしろくない」と感じる内容かもしれません。
しかしながら、その当たり前のことをちゃんと実践できている人はたぶん少ないです。
というわけで本書では、
という提案が全体を通して行われています。
『30日で人生がうまくいきだす脳の習慣』の要約
本書には、「30日で人生がうまくいきだす」というタイトルのとおり、全部で30のトピックに分けて、脳磨きのコツがまとめられています。
脳磨きのコツをギュッとまとめたのが、以下の6つのポイントです。(本書のエピローグに書いてあります。)
- 感謝の気持ちをもつ
- 気持ちを前向きにする
- 気の合う仲間と交流する
- 利他の実践をする
- マインドフルネスを習慣にする
- Awe(オウ)体験をする
個人的に、とりわけ重要だと感じたのは以下の3つです。
ポイント①感謝の気持ちをもつ
本書によると、ウェルビーイング(幸福)になるためには、先に「ウェルビーイング(幸せ)な脳」を作ってしまうのが重要とのこと。
「嬉しいことがある、目標を達成する→幸せになる」という一般的な順序ではなく、「幸せな脳を作る→幸せを感じられる」という状態を目指しましょうと言われています。
その「ウェルビーイング(幸せ)な脳」を作るのが感謝の気持ちです。
感謝や利他の気持ちが強くなると、脳が活性化するとのこと。逆に、エゴが強い状態だと、脳が部分的にしか使われないそうです。
日々脳を磨くことで、感謝の気持ちが増え、エゴが減っていくという好循環を作ることができます。
実際に「幸せな脳」になっている人は、さまざまな分野で高いパフォーマンスを発揮できるということが研究でわかっています。
ポイント②マインドフルネスの訓練をする
2つ目のポイントは、マインドフルネスの訓練をすること。
マインドフルネスの訓練をするとフロー状態に入りやすくなります。
マインドフルネスの訓練の代表例として、瞑想を思い浮かべる人も多いでしょう。
瞑想はもちろん有効で科学的なエビデンスもたっぷりあるんですけど、
「座って呼吸に意識を向け続ける」という行為を習慣にするのは意外とハードルが高かったりします・・・。
そこで本書では、日頃のなんてことない作業(お皿洗い、掃除、片付けなど)をマインドフルネスの訓練だと認識して行うことが勧められています。
アメリカ・ユタ大学の研究では、皿を洗うことだけに集中した状態で皿を洗うと、瞑想に近い効果が得られたという結果も出ているそうです。
つまり、日常的な行動であっても、気持ちの持ちよう次第でマインドフルネスの訓練になるということ。
こう考えると、マインドフルネスがより身近になるのではないでしょうか。
ポイント③Awe(オウ)体験をする
Awe(オウ)体験とは、大自然や宇宙の広大さ、悠久さ、素晴らしさに心が震えて、「人間は、なんてちっぽけなんだろう」と感じること。
Awe体験をすると脳が活性化し、利他の気持ちが生まれます。
そして、利他の気持ちは脳を磨くうえで大きな恩恵があるそうです。
また、Awe体験は体の慢性的な炎症を抑え、心身の健康度を上げる効果もあることがわかっています。
自然の中で過ごす時間を増やしたり、美術館などに足を運んで芸術を楽しんだり、Awe体験をする機会は意識的に作っていきたいですね。
『30日で人生がうまくいきだす脳の習慣』の感想
本書はウェルビーイング(幸福)な日々を過ごすために、本質的に大事なことを教えてくれる1冊でした。
大事なこととは、「感謝」「畏敬」「マインドフルネス」などということで、主にマインド面(心の持ちよう)からアプローチしていく内容となっています。
・・という背景もあり、ぶっちゃけ本書に対してはネガティブな感想もいだだきました。
代表例は以下です。
- ボリューム(情報量)不足
- 目からウロコな情報不足
- 具体的な行動提案不足
本書からは強烈に役に立つメソッドは得られませんでした。
正直にいうと、読むことによる収穫はあまり多くなかったのかもしれません。
(私自身、集中力・生産性といった情報感度が高いほうだからこう感じてしまったのかもですけど。)
とはいえ、物足りないという感想が出るってことは、私自身いろんな方法論に踊らされ気味と言えるのかもしれないな〜と思ったりもしました。
どんな分野においても真に重要なのは本質的な部分ですし。
具体的なメソッドではなく、幸福のために本質的に重要なマインドを刷り込んでもらえたという意味で、本書は印象に残る1冊となりました。
興味が湧いた方は本書の内容をインストールして、脳磨きに取り組んでみてはいかがでしょうか。