日本一アウトプットする精神科医である樺沢紫苑氏が書かれた超有名本『アウトプット大全』を読了しました。
てことで、学びや感想なんかをまとめてゆきます。
『アウトプット大全』の要約/学びまとめ

インプットだけでは意味がない?
本書で解説されているのは、タイトルからもわかるとおり、アウトプットを最適化するためにはどうすればいいか。
序盤で力強く提唱されているのが、
あんさんの勉強、インプットだけしてても意味ありませんぜ。アウトプットしなはれや。
って主張です。
インプット(読む、聴く、見るなど)ばかりしていても人の記憶には残らず、情報が脳を通過するだけになりますよ〜と警鐘が鳴らされています。
インプットとアウトプットはセットで
じゃあ、どうすりゃええの?って問いに対する答えが、「アウトプットしやがれ」なのです。
アウトプットとは話す・書く・行動するなど、インプットした情報を自分の言葉で説明したり、感銘を受けた点を実践してみたりすること。
例えば本を1冊読んだら、自分の言葉で学びをまとめたり、家族や友人に本の内容を話したり、要約や書評をブログに書いたりといった行動をセットにすることが推奨されています。
他にもなんかのセミナーを受けたり、学びの多いYouTube動画を見たり、映画などのコンテンツから感銘を受けたりって場面では、なるべくすぐにアウトプットせよとのこと。
受動的に情報を受け取るインプットだけでは、その場限りの理解しか得られませんよね。
自分の言葉に直して説明しようと思えば、受け取った情報を咀しゃくする必要があり、理解度が深まります。
逆にアウトプットをやらないと勉強する意味が消え失せてもったいない。だから、「アウトプットしようぜ」という主張に戻るわけですね。
適切なアウトプット量は?
さて、ここで疑問として浮上してくるのが「アウトプットってどれぐらいすればいいの?」という件でしょう。
本書で推奨されているインプットとアウトプットの黄金比は3:7。

(エビデンスとしてどれぐらい強いかはさておき、なんかの大学での研究結果をもとにした主張です。)
インプット3に対して、アウトプットは7。もっとざっくり言うと「インプット<アウトプット」というバランスを意識すると良さそうです。
理想のアウトプット量は割と無理ゲーだったりする
ただですよ、これ冷静に考えるとそこそこのケースで無理ゲーなんですよね。
例えば本を1冊読もうと思えば2〜4時間はかかるわけじゃないですか。(本のボリュームやその分野への理解度も読了スピードに影響してきますけども。)
仮に3時間で読み終えたとすると、7時間はアウトプットしようということになりますよね。
忙しい現代人がインプット3:アウトプット7の法則を忠実に守るってのは難しいような気がします。
てわけで、バカ真面目に黄金比を目指しちゃうと、たぶんぜんぜん理想のアウトプット量に届かなくて萎えちゃう可能性大。
まずはインプットと同等量のアウトプットをする。ってぐらいのゆるい意識で実践していくのが良いのではないかと思います。
勉強の場合は理想の比率を実現しやすい
ちなみに、読書の場合はインプット/アウトプットの比を3:7にするのは難しいですけど、資格の勉強などを例にするとちょいとお話は変わってきます。
試験があるものに関しては、教科書を読むが(3)、問題集を解くが(7)という割合でお勉強を進めるのは可能だと思います。
資格試験や受験のための勉強については、黄金比を目指して頑張るのが良さげです。
アウトプットは反復することで記憶への定着率が上がる
アウトプットの量も大事だけど、頻度にも押さえておくべきポイントがあります。
それは「インプットしてから2週間のうちに3回のアウトプットをする」という点です。
人の脳は一定期間内に複数回使った情報は重要であると判断し、長期記憶として保存するそう。
そういうわけなので、勉強したことを忘れたくなければ、2週間のうちに3回アウトプットすることが推奨されています。
これもぜひとも実践したい項目です。
リマインダーアプリだったり、カレンダーアプリだったりを組み合わせて、何かを学んだ後2週間のうちに3回のアウトプット機会ができるよう仕組み化するのが良さげ。
わたしもさっそく行動に移していこうと思います。
『アウトプット大全』からの学びを一覧表にまとめると…

『アウトプット大全』のなかで印象に残った学びは上記のとおり。
学びたちをテーブルにまとめるとこんな感じ↓になります。
気づき | 詳細 | 行動 |
---|---|---|
インプットだけではもったいない | インプットだけをしているのでは記憶には残らない。勉強が無意味になってしまう。 | 有益だと感じた学びはできる限りアウトプットをセットにする |
アウトプットの具体例 | 自分のものにしたい「学び」は、話す・書く・行動するなどのアウトプットをセットにすべき。インプットとアウトプットの比率は3:7が黄金比。 | 手軽にできそうなアウトプットは、書いてまとめる、ブログ記事化する、人に話す、実践する。理想は全部やる。無理ならできることだけやる。 |
情報は2週間に3回使うと長期記憶化 | 一定期間に複数回同じ情報が使われると長期記憶に残りやすくなる。2週間のうちに3回アウトプットするぐらいの意識を持っておくと、より効率よく自己成長できる。 | 知識として定着させたい情報はリマインダーを使って2週間のうちに3回アウトプットできるよう仕組み化する |
他にもアウトプットにまつわる有益な情報がいろいろと掲載されています。
知識増強・スキルアップを効率よく進めたい方にはおすすめな一冊です。
『アウトプット大全』イマイチな(気になる?)点
逆に、イマイチな点を挙げるなら以下の2つが気になりました。
- 手前味噌がすごい
- 他の著書の内容と重複する情報が多い
手前味噌がすごい
著者の樺沢紫苑氏は、著書の中でご自身に対する賞賛をちょいちょい述べられます。
「日本一アウトプットする精神科医」だとか、「〜という画期的な内容の拙著」などですね。
「いや、それ自分で言うんかいw!!」というツッコミを入れたくなる手前味噌が随所にあり、ちょっとサムいなと感じる部分があります。
自信過剰な感じの著者が苦手な方には、あまりおすすめできないかも…?
わたしの場合は、ちょっと行き過ぎた手前味噌に対するツッコミを入れつつ楽しみながら読めるので、そこも含めて好きな著者でもありますけども。
とりあえずアクが強めの著者であることは補足しておきます。
他の樺沢本との情報の重複
もうひとつ気になったのは、樺沢紫苑氏の他の著書と重複する情報が多かったことです。
他の著書でガッツリ解説されている情報を「アウトプット」という言葉に無理やり結びつけて、使い回している感は否めません。
本自体のボリュームを確保するために、ピントがズレた情報を詰め込んだ感があるんですよね〜。
『アウトプット大全』以外の樺沢本を何冊か読んでいる方にとっては、『アウトプット大全』は読まなくても良い本といえるかもです。
まとめ

というわけで、『アウトプット大全』の要約&感想は以上です。
先にお伝えしたような”気になる点”はいくつかありますけども、本書は学びや気づきがたっぷりと得られる良書だと思います。
アウトプットについてもうちょい詳しく知りたいな〜と感じた方は、購入して読んでみてはいかがでしょうか。
ちなみに、Amazonが運営するオーディオブックサービス「Audible(オーディブル)」の聴き放題対象本にもなっていますから、耳からインプットしたい方にはオーディブル版がおすすめです。